タイの旧正月であるソンクラーン祭り(別名、水掛祭り)。
タイ語で วันสงกรานต์ と書きます(発音はここをクリックして下さい)。
タイ人にとって1/1は単なる休日であり、ソンクラーン祭りが本当の正月である。
当然、タイ全土で行われるが、チェンマイのソンクラーン祭りがもっとも有名である。
3月、4月頃にタイランドに旅行来た人は、お店の前などに張ってある”HAPPY NEW YEAR”の垂れ幕などを見て”こんなものをいつまでも飾っているなんてずいぶんいい加減な国だなー”などと思った人がいるかもしれない(私もその一人だったので)。
実は、タイランドでは正月は3回祝うことになる。
1回目の正月はカレンダーの1月1日。
この日は当然祝日であるが、そんなにお祝いをしているようには見えなかった。
チェンマイに住んでいる日本人の間は別であるが。
2回目の正月は2月1日の中国正月。
この前後は、中華系の人々が大移動してホテルや列車が満席となってしまう。
3回目の正月が4月13日〜15日のタイ正月であるソンクラーン祭り(別名、水掛祭り)である。
なかでもチェンマイの水掛祭りは、タイランドで1番有名(派手)である。
本来の水掛の儀式は、右上の写真のように銀(あるいはアルミ)の器の中に香料を溶いた水をいれて花びらを浮かべた水を小さな容器ですくい、相手の肩からそっと注いで相手の幸せを祈る奥ゆかしいものであった。
又、左の写真のようにお寺から仏像などを引き出して主な通り(チェンマイの場合はTHAPAE RD.)をパレードし、人々は道端からお祈りをしながら香料と花びらの入っている水を仏像に振り掛ける儀式であった。
しかし、それを見た観光客が儀式をゲーム化してしまった。
当初はそうでもなかったようであるが、年々激しくなってきたとのこと。
私はソンクラーン祭りの水掛を初めて目にしたが、本当に呆れ返ってしまった。一言で表現すれば、まさに市街戦。
水掛は至る所で行われているが、特に激しいのがターペゲートから南に下るKOTCHASARN RD.とLOI KROH RD.の交差点付近。
この辺は、まさに仁義なき戦いが繰り広げられている。
ただの水では面白くないと バー・ビアの前に大きなポリタンクを並べ、その中に大きな氷をぶっこんで作った氷水をぶっ掛ける。
私が通っている バー・ビア(チャーミングバー)では、1日に使用する氷代が500バーツ(一般的なウェートレスの日給で約4日分)以上になるとのこと。
ソンクラーンの間は、氷屋は大繁盛。
トラックに氷の塊を乗っけ、ずぶ濡れになりながらあちこちの バー・ビアに売り込んでいる。
自分もバーのママに氷を買ってと言われて、200バーツ分買わされてしまいましたが。
水道の水が間に合わなくなってくると、お堀から泥水をくみ上げて使っている。
そんな水を掛けられたらたまらない。
どんなきれいな服を着ていようが、あるいはカメラを持っていようがお構いなくバケツで頭から水をかけられる。
自分はデジカメで撮影中に、3日間で十数回バケツで頭から水をかけられてしまった。
最もそんなことをするのは、白人の観光客が殆どであるが。
タイ人はビックアップトラックにポリタンクを乗っけて、市内を走り回りながら水をかけまくっている。
そのようなトラックが バー・ビアの前を通ると、ピックアップトッラク対 バー・ビア側の凄まじい戦闘が始まる。
言葉で言っても実感がわかないと思うので、写真を見てください。
(マウスでポインタを写真の上にもって行くと説明が出ます)
もうソンクラーンの間は外に出ないと言う現地の人々の声が判ると思います。
なお、こんなに派手になった仕掛け人として、 バー・ビアの戦略もかなりあると思う。
ソンクラーンの間は店の前に多数の水鉄砲や水掛け用のポリバケツをそろえて観光客に売っている。
また、バーの前に臨時の屋台を作って軽食を販売し、店内では疲れた見物人や観光客にビールや清涼飲料水を。
3日間で結構な売り上げになるのでは・・・
なお、水掛を行うのは正午頃から日没までの暖かい時間帯のみであり、日没後は行わない・・・ はずであるが、ターペ門付近で欧米人の観光客が数人、夜遅くまで水鉄砲を持ってうろつきながら当たりかまわず水を掛けているのを見かけた。
せっかく一旦帰って服を着替えてきた人々にとっては、全く迷惑な人達である(私も被害者の一人)。
もっとソンクラーン祭りの写真を見たい方は、ソンクラーン祭りの写真集をご覧下さい。
ソンクラーン祭りは、水掛を行うだけではない。
その地域ごとに色々な催しを行っている。
ここチェンマイは美人の産地といわれているので、美人コンテストの開催を心待ちにしていた。
しかし、美人コンテストに関すると思われるビラがあちこちに貼られているが、全てタイ語(数字も)で書いてある為に私には全く判らない。
バー・ビアの知り合いに読んでもらった所、ターペ門前の広場で深夜0時から開催されるとのこと。
深夜0時という時間にはちょっと驚いたが、 バー・ビアで時間をつぶした後にターペ門広場に行って見た。
広場には舞台が作られており、その前には椅子が並んで既に沢山の観客が座っている。
ただ、椅子席が満席ではないにもかかわらず、数多くの人々が椅子を囲んだ柵の外側から見物していることに気付く。
ひょっとして椅子席は有料ではないかと思い、柵の入り口にいた係員に100バーツ札を見せながら英語で尋ねたところ、係員は黙ってお札を受け取り代わりに胸に着けるクリップ付きの花をくれる。
渡したお金が入場料なのか寄付なのか、あるいは賄賂だったのかは判らないが、とにもかくにも無事に柵内に入ることが出来た。
柵内ではテレビ放送の中継車やテレビカメラがスタンバイしており、かなり大掛かりな催しの様であるが柵内には外国人観光客らしい人は一人も見かけない。
椅子に座っている人々は、地元の有力者やお金持ちらしき人達だけ。
開催時間やタイ語だけで書かれたビラなどから察すると、どうやら騒がしい外国の観光客をなるべく排除して美人コンテストを開催したかったようである。
改めてコンテストに出場している女性たちを観察すると、いずれの女性も良家の娘さんと言う感じに思える。
もしかすると、このコンテストに出場する条件としてある程度の資産家の娘さんであることが条件かもしれない。
そう思うとなんかつまらなくなり、最終審査を待たずに美人コンテストの会場を後にしてしまった。
Last update : 2022-07-18T19:42:52+09:00 (Monday)